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 8月後半は2回東京を離れることになっている。そして昨日その一回目を終えて、ほぼ一週間ぶりに自宅にいる。

 噂にきく秋吉台の現代音楽セミナーに参加してきた。かつて1990年代に国内外の「潮流」を担う作曲家や演奏家たちがこぞって訪れ、またなんでこんな場所で現代音楽なんぞ、と訝しみながら参加した受講生たちの大多数が今なお作曲家として生き残って世代を形成し(これはとても異様なことだ)、果ては大阪万博ですら結実しきらなかった音楽・建築・思想のクロスオーバーを、東京でも名古屋でも大阪でもない山口の山奥で成し得てしまったという、戦後日本音楽史(というものがあるならば、)のなかで圧倒的な功績を誇るセミナーが、山口では四半世紀も続いていたのだ。

 セミナーの様子を詳しくここに書くつもりはない。もちろん個人的な宿題はいくつか持ち帰ってきたのだが、それをここで独白するのも野暮かなと思っただけだ。全体的には良い感触も悪い感触も、同じ程度感じた。ただし悪い感触といっても、東京で感じて自宅で塞ぎ込むいつものものとは違って、風通しは良いというか、前向きに考えられるものではある、と思う。

 ちなみにセミナー会場にはほとんど電波が入らなかった。なのでインターネットやメールはおろか、電話すら繋がらない環境でしばらく過ごしていた。テレビもなく、新聞はあったけど見なかったので、世の中の状況は一切分からなかった。それはもう気持ちのよい時間だった。電波がないという理由だけで、また来年も通いたいとすら思う。

 写真は最終日に寄った秋芳洞。ここには絶対に神仏か仙人がいたと思う。普段は考えもしないが、秋芳洞のなかでは、神の存在を思わずにはいられなかった。

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